弁護士の退職代行サービスが解決できるトラブルを解説

Necoco
弁護士に退職代行を頼むと高いんでしょ?
Bowow
実はそうでもないんだ!一般の退職代行サービスと同じくらいの料金で頼める法律事務所もあるよ。
それよりも、残業代や有給消化を交渉したいなら、弁護士じゃなきゃ解決できないこともあるんだ。
Necoco
交渉?何それ?詳しく教えて~!

費用が高いと思われがちな、弁護士による退職代行ですが、実は3万円代からサービスを提供している法律事務所も存在します。

また、賃金や残業代の未払い分がある、有給を消化したい、というようなお金や権利に関する交渉が必要な場合には、弁護士でなければ解決が難しいでしょう。

なぜなら、弁護士の資格がないのに会社と交渉すると違法行為になることがあるからです。

この記事では弁護士による退職代行サービスについて、解決できるトラブルに加えて、合法である理由や料金比較、メリットデメリットを詳しく説明します。

弁護士の退職代行サービスとその他の違い

女性の弁護士

退職代行サービスを提供している組織は以下の3つに分けられます。

1.一般の退職代行サービス
2.労働組合の退職代行サービス
3.弁護士や法律事務所の退職代行サービス

そして、これらの退職代行サービスはそれぞれ対応できることと、対応できないことがあるので、一覧表で確認してみましょう。

一般の退職代行 労働組合 弁護士/法律事務所
会社への連絡
会社との交渉 ×
訴訟や法的手続き × ×

会社への連絡は誰でもできる

まず、会社への連絡はどのサービスを利用しても対応できます。

・退職をしたい旨を会社に伝える
・必要書類の確認や提出期限、送付先を伝達する
・退職に関する希望を伝える

これらの退職に関する連絡事項を、依頼主のメッセージとして会社に伝えてくれます。

会社との交渉は労組か弁護士だけ

次に会社との交渉ですが、労働組合と弁護士であれば対応可能です。

・退職日までに有給を消化したい
・未払い賃金や残業代、退職金を清算してほしい
・会社からの不当な扱いをやめてほしい

これらの退職に関する依頼者の希望を叶えるために、労組か弁護士ならば会社と交渉してくれます。

もし、これらの項目に対して会社側から拒否されたとしても、交渉を通して双方が合意できる内容に向けて調整が可能です。

一般の退職代行サービスはこの交渉ができないのがデメリットになります。

訴訟や請求は弁護士にしかできない

労働組合が「交渉」までに留まるのに対して、弁護士であれば法律に基づいて「解決」することができます。

たとえ、労組が会社と交渉しても、交渉が決裂することがあります。

一般の退職代行サービスが「従業員が残業代を払ってほしいと言っている」と伝えて、会社から「拒否する」と返答があれば、これ以上は何もできません。

労組の退職代行サービスから「従業員が残業代を求めている」と伝えて、会社が拒否した場合にも「どういった条件であれば払えるか?」といった交渉はできます。

しかし、従業員規則や雇用契約内容によっては「残業代は払えない」という結果になることもあります。

もし、弁護士であれば法律を盾に残業代の回収に向けて会社と交渉ができるでしょう。

実際に、未払い賃金や残業代の回収を成果報酬で請け負っている法律事務所も多数あります。

さらに、セクハラやパワハラで上司を訴えたい、長時間勤務で受けた肉体的・精神的なダメージに対して損害賠償を請求したい、という場合には弁護士か法律事務所でなければ、法的手続きが行えません。

交渉やトラブルが多い退職になりそうなら、最初から弁護士への相談を検討しましょう。

なぜ弁護士にしかできないことがあるの?

判事のイメージ

弁護士は司法書士試験に合格した法律のプロです。

「民事」と「刑事」にあたる日常の争いごとに対して、弁護士は法律を使って解決に導くことができます。
参考:「弁護士の使命と役割|日本弁護士連合会」

このことから、依頼者が会社と退職に対して「争いごと」が発生した際には、弁護士によって合法的に交渉することができるんです。

なお、法律第54号同法1条で弁護士でない人が交渉する「非弁活動」を禁止しています。

だから、一般の退職代行サービスでは「伝える」ことはできても、会社から拒否された場合に「交渉」することができないのです。

ちなみに、日本国憲法第28条に労働者の権利として「団体交渉権」が明記されているので、この団体にあたる労働組合は会社と交渉することができます。

ですが、交渉をしても必ず会社の合意が得られるとは限られません。

会社によっては法務部門があったり、顧問弁護士を雇っている場合があります。

すると、「退職日の2か月前までに申し出ていない」「残業代を計算するタイムカードがない」「上司がセクハラをしたという証拠がない」などと、雇用契約や就業規則の項目を盾に依頼者の要求を拒否してくることも考えられます。

会社側との交渉がすんなりと進まなければ、弁護士に依頼することを検討しましょう。

弁護士に頼むと高いって本当?

一般の退職代行サービスと比べて、弁護士や法律事務所にお願いすると高いというイメージがありますよね。

実際に退職代行を請け負う、代表的な法律事務所の料金とサービスを比較してみましょう。

No.1 No.2 No.3
名称 退職代行のNEXT 弁護士法人みやび 汐留パートナーズ法律事務所
基本料金(着手金) 30,000円 50,000円~ 55,000円
オプション料金 金銭の請求が認められたら要報酬、法的手続きは別途費用 残業代や未払い金は回収額の20% 成功報酬、経済的利益の20%
弁護士が対応 未払給料・残業代・退職金の請求、有給の処理、私物の引き取り、内容証明の送付、訴訟、法的手続き 未払給料・残業代・退職金の請求、有給取得交渉、私物の引き取り 退職意思の伝達、退職届の提出代理、会社から損害賠償請求された場合の交渉
特徴 全額返金保証 相談料無料 未払給料・残業代・退職金 等の請求に関して着手金無料
リンク 公式サイト 公式サイト 公式サイト

大手の退職代行サービスが27,000円~29,800円であることを考えると、決して高額な料金設定ではないでしょう。

また、サービス内容に有給消化や未払い金に関する交渉も含まれているので、複雑なケースであれば最初から弁護士事務所に相談した方がスムーズに進みますよ。

弁護士を利用するメリットとデメリット

考えるビジネスマン

では、ここまで見てきた弁護士や法律事務所の退職代行サービスの特徴をもとに、メリットとデメリットを整理してみましょう。

メリットは法的措置も対応できる守備範囲の広さ

一番のメリットは訴訟や損害賠償請求といった法的手続きにも対応できることです。

退職で考えられる訴訟は、①自分が訴える側 ②訴えられる側の2種類になります。

例としては…

<自分が訴える側>
・セクハラやパワハラ、嫌がらせなどを受けて精神的ダメージを受けた
・過酷な労働環境と長時間労働でうつ病を発症した
・上司から暴行を受けてけがをした

<自分が訴えられる側>
・退職したいと伝えたら、会社から損害賠償請求をすると言われた
・会社に大きな損害を与えたので、それを補償しろと請求された
・寮の使用料や会社スマホの通信費を過大に請求された

弁護士は法律のプロなので、こういった場合でも法律にのっとって解決できることがあります。

デメリットは簡単な退職には過剰なサービス

弁護士に依頼しない方がいいケースは、ただ辞めたい場合です。

・有給がほとんど残っていない
・残業代や退職金など清算したいお金がない
・口約束で雇用契約を結んでいない
・なんとなく自分では言いにくいので、だれかに退職の意向を伝えてほしい

特別な交渉が必要なく、辞めることを伝えて会社にはもう行かなくていい。と考えている人には、弁護士事務所の退職代行ではコスパが悪く感じるかもしれません。

ただ辞めるだけの簡単なケースであれば、料金が割安な退職代行サービスの方が金額面でも簡単に利用できるでしょう。

複雑なケースは退職専門の弁護士に相談しよう

裁判所と費用

ここまで弁護士や法律事務所が提供する退職代行サービスについて紹介してきました。

弁護士なら交渉だけでなく、何かトラブルが起きた際でも法的手続きが行えることは大きな特徴です。

また、弁護士の資格を持つ人に退職をサポートしてもらえるのは、安心にもつながります。

ただ辞めたいなら「一般の退職代行サービス」、会社と交渉するなら「労働組合の退職代行サービス」、複雑なケースは「弁護士事務所」と目的に沿って使い分けましょう。

※2020年11月時点の調査に基づいています